道路 ナノスリック

技術資料

ナノスリック説明

・オイル分子の1/20以下のナノ粒子が、オイルの隙間に入り込む。
・ナノスリックを入れることで、脆弱な油膜(境界潤滑)から、潤沢な油膜(流体潤滑)に変化する。
・流体潤滑とは、液体である水の上を人が浮かんでいる、水上スキーのような状態。

・金属面の微細な凹凸面にも、ナノ分子が入り込むため、摺動摩擦が減少する。
・流体潤滑のため、摩擦抵抗が最小に抑えられる。
・摩擦抵抗の減少により、オイル油温の上昇やスラッジの発生を抑えられる。

ナノスリックの主な効果
 
 
 
 
 
 
 
 
ピストンリング(エンジン性能を左右する重要な部品)

トップリング

微少な凸球面になっており、数ミクロンメーターの凸曲面になっている。
高速で油膜を形成するのに重要な役割を果たす。

セカンドリング

トップリングの機能を補いながら、オイルコントロールもする。圧力リングとしてのガスシールの役目と、外周面の切り込みが、下向きにオイルを掻き下げる形状になっている。

オイルリング

 

ピストンリングとシリンダーの摺動摩擦を減らすのに、オイルは欠かせないが、使い過ぎは抵抗が増し悪影響を及ぼす。ピストンリングの摺動に必要にして、最小限のオイルを確保する、重要な機能を持っている。

ピストンリングの機能
 
 

ガスシール機能

燃焼ガスの膨張でピストンが働き、動力が発生する。その燃焼ガスの機密を保つのが、第1義的な機能です。膨張行程の他、吸気、圧縮、排気の各工程でも機密性は重要です。簡単には、これらを総称してガスシール機能と言う。

熱伝導機能

ピストンの熱を、冷却されたシリンダーの壁に逃がす。高温の燃焼ガスに接しながら、ピストンやピストンリングが安定して長寿命を確保できるのは、この熱伝導機能が効果を発揮しているからです。ピストンリングによってピストンからの熱の70%程度を放熱している

オイルコントロール機能

潤滑油としてのエンジンオイルを、適量(必要最小限の量)だけをシリンダー壁に残して、余分なオイルは掻き下げる機能を持っている。

ピストンリングのガスシール性

 ガスシール性 上下面の平坦性

ピストンリングがシリンダとピストンリング溝に各々密着してガスの流れを防ぐ。ピストンリングが浮き上がっていたり、上下面の平坦度が不足していたらガスが漏れてしまう。ピストンリングの上下面は精密に研磨仕上げされており、表面粗さは1ミクロンメーター(1μm=1/1000mm)程度になっている。

フラッタリングと姿勢制御

ピストンの溝の中で、ピストンリングが持ち上がってしまう、不安定な姿勢にフラフラしてしまう状態(フローティング・フラッタリング)になれば、ピストンリングが溝の中で持ちあがり、燃焼ガスが後ろを通って下に漏れてしまいます。

 

トップリングとセカンドリングの合い口隙間との微妙なバランス設計をすることで、フローティングが抑制されてガス漏れ(ブローバイ)を最小にすることができる。

フラッタリングと姿勢制御

 
ピストンとシリンダーは約330℃まで温度が上昇するため、スラッジが発生する。 発生したスラッジは、ピストンリングの固着や損傷を招き、ピストンリングの微妙なバランスを崩す ため、フラッタリング等のトラブルが起こる。
ナノスリックの効果

効果の即効性

 

ピストンリングの表面は1ミクロン(100万分の1)に対し、ナノスリックは1ナノ(10億分の1)の為、上下面や摺動面に入り込んで行く。
よって、固着や損傷等を解消し、且つ流体潤滑によりピストンリングの本来の機能を回復させる。

振動計によるエンジンの揺れ計測試験

 

計測方法

特殊な振動計測器を、エンジンの上に取付、ナノスリックの投入前・後の振動を計測し、グラフ化して変化を確認する。

グラフの見方

X軸(青色)は前後の揺れ Y軸(赤色)は左右の揺れ

縦軸:加速度[gal] 横軸:時間[sec]

 

 
 

計測結果

投入後は、

X軸=前後の揺れは、振動幅が極端に小さくなっている。

Y軸=左右の揺れは、振動幅は多少大きくなったが、緩やか揺れになった。

 

ナノスリックの投入によって、エンジンの振動が変化したことが、数値として証明されました。

 

実験結果
実験結果
試験 ②
酸化試験は、燃料の混入や高温による、エンジンオイルの劣化が判断できる。
実験結果
実験結果
試験 ③
塩基価試験は、清浄分散剤の残量を確認することができる。
試験 ④
ICP分析・Fe(鉄)試験は、摩擦による金属面の削り取りを確認することができる。
実験結果
実験結果

検証結果

ナノスリックを添加することで、ナノスリックの持つ流体潤滑・金属面の平滑性等の効果により、

ガスシール性等のピストンリングが持つ本来の機能を回復させることが判明した。

実車走行による、燃費の比較

計測内容

① 同距離の高速道路を走行して、添加前・後の燃費係数の変化を確認する。

② ブレーキ補助装置(リターダー)は、走行条件をより一定にするため未設定にした。

③ オートクルーズ(時速82km)を作動させ走行する。

 

 
 

検証結果

各計測の燃費係数の変化が一致しており、ほぼ同条件での走行を示している。

 

 

検証結果

添加後は、走行中は5%~10%、最終燃費は0.35km/L  6.18%増加した。

 

実車走行実験から、判明した事項

都市部では、信号や車両が多いため継続した走行が難しく、摩擦抵抗(フリクションロス)の減少効果が発揮しにくい。

燃費は、運転者の運転技術によって差異が生じるため、運転者が一定している方が効果が判り易い。

燃費は、走行速度によっても差異が生じるため、一定した速度で走行する車両が、効果が判り易い。

給油者によって満タン量には差異が生じる。そのため満タン方式で燃費を換算する場合は、ある程度の長い期間でのデータで換算する必要がある。

アイドリング時の噴射量はコンピューターで制御されているため、アイドリング状態が長い車両では、効果が判り難い。

都市部では、アクセルとブレーキの踏み替えが多くなるため、トラックの場合は装備されている補助ブレーキが頻繁に作動するため、効果が相殺されてしまう。

トラックの場合、積載物の重量によって燃費が相違すため、効果の比較が難しい。

必ずエンジン本体に投入する。大型トラックの場合、キャビネット正面にオイル投入口がある。そこから投入した場合、パイプが長く途中で付着しオイルパンまで届かない。

効果を確認しやすい車両

信号や交通量の少ない地域を走行する車両。

高速道路や長距離を主に走行する車両。

走行ルート・運転者・積載物がほぼ一定している車両。

オートクルーズ等で走行速度が一定している車両。

産地から都市部へ農水産物を輸送する大型トラック、高速バス、トレーラー等

高速道路や長距離を主に走行する。継続走行・補助ブレーキの掛が少ない。

走行ルート・積載物・積載量がほぼ一定。

走行速度が一定している。速度抑制装置(最高速度90㎞)が装備されている。